株式会社fun function
代表取締役社長 合掌 智宏

25歳の時に、地元福井で飲食業界に飛び込み、東京での複数店舗立上げを経て、27歳で独立。
現在も続く1店舗目となるやきとん屋を居抜きで始めたのを皮切りに、まだ有名ではない町の自治体名をそのまま店名にした「ご当地酒場」を中心に、国内・海外で精力的な店舗展開を行う。

さっそくですが、どのような経緯で飲食業界に入られたのですか?

はい、もともとは飲食業ではない父親の会社からキャリアをスタートさせたのですが、25歳のときに当時の顧客であった飲食店のお手伝いをしているうちに、もともとの志向もあって独立を前提にその会社に入ったのが飲食業界へ入るきっかけになりました。

もともと独立志向があったということですか?

そうですね、地元福井県は日本で一番社長が多い、ということもあってか、小さなころから周りに「社長」が多かったんです。
そんな環境のせいか、独立をして社長になる、という思いが自然と身についていましたね。

たくさんの業種があるなかから、なぜ飲食業を独立のステージとして選ばれたのでしょう?

先ほどお話した通り、はじめは建築系の父親の会社で働いていて、ゆくゆくはその会社の社長になるのかなぁ…と思っていました。
でも飲食店の顧客をお手伝いしているうち、サービスを最後に受けるエンドユーザから直接評価を受けることができる飲食業界に魅力を感じていくようになっていたんですね。
また、「独立」という自分の志向と照らしても、飲食業は参入障壁が低く、チャレンジしやすかったというのもあります。
それに競合が多い中で、日々闘っていくという「スピード感」に魅力を感じたということもあります。

地元福井から東京へ複数店舗出店したのちにご自身で今の会社を作られたわけですね。

そうです、もともと「独立する」ということを前提に入社していたので、自然の流れでした。
はじめはお金が無く、選択肢が少ない中で、当時はやっていた大衆酒場を居抜き物件でスタートさせました。
多店舗を運営するようになった今でも、この「時流を読む」という考え方は常に大事にしています。

御社のブランドといえば、自治体の名前をそのまま店名にしたお店が特徴的ですが、どのような経緯でこのブランディングにたどり着かれたのでしょうか?

そうですね、ちょうど3店舗を展開したあたりでしょうか。
店舗の売上も悪くないし、順調ではあったのですが、何か「突き抜けた」感が足りていなかったので、常に他社にはない差別化ポイント、機会を探していたんです。
そんなとき、北海道の八雲町に転勤した親しい友人が、その町の食材を送ってきてくれたんです。
感動しました…東京に流通している食材はほとんど知っていましたが、名前もしらない町にこんなおいしい食材があるのかと。
気づいたら八雲町の役場にいましたね(笑)

すごい行動力ですね(笑)役場の方も驚かれたのではないですか?

はい(笑)最初は「突然東京から来て何を言っているんだ…」と怪訝そうでしたが、決して補助金目的などではなく、感動を伝え共有したいという思いを熱心に説いた後は、流通元をご紹介いただくなど惜しみない協力をいただけました。
地方都市が都市部へアンテナショップを出そうと思うと莫大なお金がかかりますが、補助金などではなく、地元食材の感動を都会の人たちに提供したい、という思いに共感いただけたんですね。

でも「名前も知らない町名」を店名にすることに不安はありませんでしたか?

正直その不安もありました。
ただ、なにより「食材」に自信があったので、「ここは何のお店なの?」と興味を持って来店いただいたお客様に感動を届ける自信があったんです。
私が初めに抱いた食材の感動をお客様にも感じてもらい、名前も知らなかった地方の町を知ってもらう。
お店、お客様、自治体、それぞれがWinWinWinになれるんです。

御社の他にはない差別ポイントですね。
そんな御社ではどのような方が働かれているのでしょうか?

店名が地方都市の名前ということもあり、その町出身の社員が自分の地元の店で働きたい、と入社いただくこともあります。
でも私が「独立」を積極的に支援する方針であるからか、私と同じように独立したいという人が多いかもしれません。
学習意欲が高く、働くことにとまどいが無い、また周りをどんどん巻き込んでいける、という点が特徴でしょうか。

「独立」を積極的に支援するというのは、合掌社長のご経験ならではと感じます。

ええ、実際に現時点で、5名が独立支援制度を使って、独立をしてくれています。
独立は決して人材流出などではなく、ブランドを高め、同じ志を持つ仲間を増やすことだと思ってますね。

御社のブランドならではでいうと、飲食業務以外にもたくさん経験できそうですね。

通常飲食業界では、同じ店で同じ業務を長ければ10年、などざらにあります。
ただ、うちの場合は何よりおいしい食材を提供してくれる生産者、行政の方とも積極的にコミュニケーションを取っていく必要があります。
地域活性に直接つながるブランドを持っているからこそですね。
社員だけでなく、アルバイトの方まで、生産元の地方に連れていき、生産者や行政の方とのコミュニケーションを取る機会を設けています。
実際に現地にいってお店で働く社員・アルバイトにも「感動」を知り、お客様に食材と併せて提供してほしいという思いがあるからなんです。

地域活性、飲食と2つのキーワードが御社の特徴かと思いますが、次の一手としてはどのようなことを考えていらっしゃいますか?

そうですね、国内外、飲食業態に限らず、より地域に根差した事業も展開したいと考えています。
地方をテーマにした店としては、自治体からのオファーも多く、評価をいただいてきていると実感しています。
既に取組始めていますが、今後はより地域に根差した、例えば道の駅、農産場自体を活性化したり、地産地消を実現する取組をしていきたいと考えています。