株式会社イタルグルメ
代表取締役 中村 雅彦

1957年東京都生まれ。1980年成城大学卒業後、共益株式会社へ入社。
3年後に退職し、1987年にスキーの技術並びに指導法の研修のためイタリアに渡る。
2016年に株式会社イタルグルメを設立。

早速ではありますが、どういった経緯で起業をされたのでしょうか?

学生時代からアルペンスキーをやっていたのですが、アルペンスキーのスタイルは国によって異なり、私自身はイタリアのスタイルに憧れをもっていました。
実際に、27歳の時にはイタリアにスキーの勉強に出向き、日本に戻ってきてからは、スキー学校の運営の手伝いなどもしていました。
29歳の時には日本の会社を退職し、当時の貯金200万円くらいを持ち、イタリアに飛び立ちました。その後、レストラン事業に長年従事し、2016年に現在の株式会社イタルグルメを設立しています。
そのため大きなきっかけとしては、アルペンスキーでイタリアに行ったことですね。また、そこで出逢った彼らのスキーの技術と気質を日本に紹介できれば、日本でも受け入れてもらえると、確信できたのが起業の大きな決め手です。

もともと、スキーの事業として起業されたのでしょうか?

そうですね。最初は、イタリアのスキー選手たちと一緒に、スキー学校の運営としてスタートしました。その後、1993年には東京都内でイタリアの文化を広めたく、イタリア語教室を開校。
そして、日本でのイタリア料理の人気が出てきたことをきっかけに、1995年中目黒にイタリア料理店をオープンしました。

なぜ、スキーからレストランに転向されたのでしょうか?

イタリアにいて感じたこととして、イタリアにあるような飲食店は日本にはないですし、それらを広めていきたいと思ったこと。また、もともとホテルや小さいお店などが併設されたスキー場をオープンしたいという想いがあったことがきっかけです。
もちろん、素晴らしいスタッフに恵まれたことも大きいですね。
私自身、レストランでのアルバイト経験はありましたので、レストランを始めることに違和感はなかったですね。

現在、複数店舗展開されていると思いますが、こだわっていることなどございますか?

できる限り、現地に似た、近いものをつくろうと努力しています。なるべく現地にあるものを使い、日本人に合うようにアレンジしています。
家具や食器も、日本とイタリアでつくられたものは絶対にどこか違いますので、イタリアから直接輸入をしています。スタッフもイタリアン人のシェフやスタッフを現地から連れてきました。
当時イタリア人が働くレストランは少なかったので、日本にいる多くのイタリアの方々はジョインしてくれましたね。

お料理で何かこだわっていることは、ございますか?

可能な限り、オーガニックの食材を使うことです。
日本人のオーガニックに対するイメージは、ナチュラルとかファッションといった感覚だと思いますが、ヨーロッパでは「健康に生きていくためのもの」として捉えており、現地では、既に学校給食がオーガニックに切り替わっていたりするんです。
日本の食材は、汚染されています。遺伝子組換や抗生物質、化学的な力によって野菜や果物、肉がつくられているんです。
遺伝子組換の作物は、大量生産ができ、農薬に強いのですが、体の調子が悪くなったり、癌になる危険性があると言われています。
世界では、癌の発症率は減ってきていますが、日本はそうではないんです。日本人の体に癌細胞は発生していますが、癌細胞よりも免疫細胞の方が多いと、人間は癌になりにくいのです。その免疫細胞の7割は小腸でつくられていますので、体に良くない食べ物を入れるとダメージを受けるのは小腸となります。だから、癌になるんです。

日本人の体に、本当に良いものを提供したいという想いで、お料理も提供されているのですね。

そうですね。ほとんどが、イタリア現地からの直接輸入の食材を利用して提供しています。
例えば、パスタはイタリアで一番美味しいパンの町”アルタムーラ”より地元産100%の有機小麦粉「カメマ」を自社輸入。
モッツアレラチーズも、1992年にイタリアで初めてオーガニックの水牛のモッツアレラを製造した会社から、定期的に航空便で直輸入して、新鮮な状態で提供。
オーガニックオリーブオイルは、現地で有機栽培されたオリーブを手作業で収穫し、1時間以内に石臼で砕き、低温で圧縮した後に1ヶ月程寝かせ瓶詰されます。
生ハムは、飼育から生産に至るまで徹底した一貫管理を行い、豚の習性を考慮し、ストレスができるだけかからない環境を提供し、オーガニックの餌が与えられています。
その他にも、トマトソースやワイン、コーヒーも、オーガニックのものを利用しています。

本当に、徹底的にオーガニックにこだわっているのですね。
今後、店舗展開もされていかれると思いますが、どのような方と一緒に働きたいですか?

真面目で、陽気で明るく、心配りができる人でないといいお店はできないと思っています。最終的に、飲食でお店を持とうと考えていたり、店長やシェフを目指すといった目的が明確な方ですね。
「飲食店の仕事が何か?」ということを、自ら追求し、行動できる方ですね。
飲食店の仕事は、自分たちが提供したものに対して「ありがとう」とお代金をいただいておりますので、その喜びを価値に変え、見い出せる人でないと難しいと思っています。
スタッフにも「皆さんの給与は、会社が払っているのではなく、お客様からいただいています」という原則を伝えるようにしています。
レストランにご来店されたお客様は、それぞれが一生懸命働いて稼いだお金で、レストランに足を運び「ありがとう、おいしかった」に対してお金を払ってくれています。それらをきちんと理解しながら、提供をして欲しいと思っています。

最後に、今後取り組まれていくことを教えてください。

間違いなく、遅かれ早かれ、オーガニックは日本国外で広がっていくと考えています。
広がっていくにあたり、「オーガニック」とうたうところも増えてくるとは思います。弊社では、2015年に日本国内初リーファースのオーガニックレストラン認証を取得しました。
コストがかかったとしても、お客様との信頼関係を構築していくために取得をしました。もちろん、オーガニックではないものもありますので、そのことははっきり伝え、お客様との信頼関係を気づきながらも継続していきたいと思っています。