ひなた株式会社
代表取締役 辻 英充

1976年、長崎県生まれ。居酒屋でのアルバイトを経て、22歳で上京。
飲食業に魅了され、ふぐのチェーン店に就職。ふぐ調理師免許を取得後、料理長を経て、独立を決意するも、すぐに閉店。その後、やきとん店での修行を経て再スタートし、 2010年に第1号店をオープン。2011年にひなた株式会社を設立。現在では、4業態9店舗展開中。

早速ではありますが、辻社長はもともと独立をすることは考えていたのでしょうか?

そうですね。20歳の頃から飲食に携わっていますが、その時働いていた店舗の社長に憧れたことがきっかけとなり、飲食業界への就職を決めました。
期間などは特に決めていた訳でもありませんが、30代くらいまでに、飲食業界で独立をしようと考えていましたね。
当時働いていた会社が、勢いもあり出店もバンバンしていましたので、刺激を受けましたし、実際に私自身も店舗で働いていましたが、社長自身が輝いていたんですよね。
そこで料理人や店長を経て10年程勤務した後、社内独立制度を利用して、店主を務めた後、独立をしました。
それが、ふぐ居酒屋だったのですが、数ヶ月で借り入れを起こして失敗してしまったのです。資金計画も作っていなかったですし、当時は開業することが目的になっていたのだと思います。

そこから、どのように乗り越えていかれたのでしょうか?

実は、飲食を離れるか迷っていたのですが、飲食の道しかないと思ったんですよね。失敗したことがきっかけで、こんなはずではない、ともう一度チャレンジしたいと思い直しました。
その後、ローコストで開業しようと思った時に、屋台業態に目をつけたんです。そのことをきっかけに、やきとん屋を見つけて、実際に食べに行って、そこですぐに修行をさせてもらいました。
前職の会社は大企業だったこともあり、発注なども全てシステム化されていましたが、そのやきとん屋では、仕入れも支払いも全て現金でしたし、これが飲食だなと感じました。
当時、友人と再度独立することも決めていましたので、1年で200万円貯めて、1年後に独立をしました。

同じ飲食業界で再出発されたのですね。

そうですね。あの時の失敗があったからこそ、もう一度チャレンジするきっかけにもなりましたし、良かったと思っています。
修行している時と独立してからの自分自身のモチベーションも責任感も全く違いましたし、先の失敗の経験があったからこそ、冷静に考えるようになりました。

現在では、多店舗展開されていらっしゃるかと思いますが、どんなところにこだわりを持っていますか?

店舗自体は、カウンターがあるお店にすることにこだわっています。
昔ながらの大衆酒場のように、お一人様でも入れる雰囲気と、カウンターを設けてオープンキッチンにすることで、お客様とダイレクトに会話をすることで反応を楽しみ、お客様が毎日来れるような空間をつくるようにしています。
昔は、ローコストであることに目を向けていましたので、直接大工さんに指示を出して作ってもらっていました。現在では、出店にコストをかけ、デザイナーを入れて設計しており、従業員にも働いてみたいと思ってもらえるような空間にしています。

ご提供されているモノに関しては、いかがですか?

もちろん、提供しているモノにもこだわっています。
お客様に新鮮なものを提供したいと考えていますので、毎日築地から新鮮なものを仕入れています。実は、私が仕入れ担当なんです。我々は、比較的小回りがききますし、大手企業にはなかなかできないことだと思っています。

一緒に働いていきたい方は、どのような方でしょうか?

まさに「調和」を取れる方ですね。我々ひなたのテーマでもあるのですが、従業員同士でお互い尊敬し、思いやり、協力し合うことで一つの店を創り上げていくことを大切にしています。
また社訓の一つに、「雇われなくても生きていける個人の集まりであれ」ということを掲げていますが、自ら考え、環境をつくりにいくよう伝えていますので、当事者意識を持って働ける方ですね。
そのため、メニュー作りやコスト管理なども、従業員に任せるようにしています。

そのような人材を育てるために、工夫されていることはありますか?

会社を好きになってもらうことですね。会社が嫌いだと生産性も上がらないと思っていまし、「この会社に入ってよかった」と幸せを感じてもらいたいと考えています。
だから、常日頃から「ありがとう」を言いなさいと伝えています。毎日日報を提出してもらっていますが、「ありがとう」と思った事柄を毎日1店舗1つ出してもらっています。もちろん、それらに対して私自ら返信するようにしています。
私自身、「ありがとう」の重要性を身に染みて感じていますし、受け売りではありますが、コンビニでもタクシーでも、本当に些細なことでも「ありがとう」を言うように伝えています。

会社としては、今後どのようなことを強化されていかれるのでしょうか?

ドミナント強化を考えています。現在、池袋に3店舗ありますが、更に出店を強化し、集中させることで、すべての店舗において売上拡大を目指していきます。
また、現在4業態展開しておりますが、利益率も異なりますし、パワーも分散することに気づきました。昔は、いろんな業態をやりたいと思って始めましたが、今後はより一層、やきとん業態を強化して、ブランド認知を高めていきたいと考えています。
もちろん、グループ全体でも認知拡大をはかっていきたいと考えています。ひなたがやきとん以外の業態があることをあまり認知されていないと思いますので、やきとんから他店舗に誘致していけるような施策を打っていく予定です。

最後に、一言お願いします。

我々の理念として、「町になくてはならない、100年後もそこに在り続ける店であれ。」ということを掲げており、これが行動指針になっています。
私たちや従業員が何か迷うとき、悩むとき、「その行動は町に必要とされているのか?」「100年後もそこに在り続ける店となるのか?」と、立ち戻れ、見つめ直す機会を与えてくれるものになっていると思っています。
そのため、理念浸透をさせていくためにも、従業員と一緒につくり、浸透させ、町にもお客様にも必要とされるお店を目指していきたいと考えています。